即身成仏に至るための密教の瞑想法、五相成身観についてまとめてみた。
成仏は目的地ではなく起点。
そこへ至る"方法論"や"解釈の違い"などの言い争いは終わりにして、どんな方法であろうと神仏と一体となればそれで良し、自他の区別なく生きる人が増えていかなければ人類の未来のはないのだと思う。
その最も分かりやすい方法が、金剛頂経に記されたこの瞑想法であろう。
NHK番組で放送されていたものが分かりやすかったので、備忘録的に記しておく。
「第一段階」
自らの心を暗い霧がかかった月と捉え、阿字を思い浮かべる。
大日如来が自らにも宿っていることを念じる。
真言を唱え、心を極める瞑想に入ることを宣言する。
「おん しった はらちべい とう きゃろみ」
「第二段階」
霧が払われ金色の阿字が輝いていることを思い浮かべる。
悟りを求める心を起こすことを念じながら真言を唱える。
「おん ぼうじ しった ぼだ はだやみ」
「第三段階」
月の中の阿字が大日如来のシンボル「五鈷杵」に変わる様子を思い描く。
「おん ちしゅた ばざら」
五鈷杵の拡大と縮小を繰り返し、悟りを求める心をより堅固にすることを念じる。
「第四段階」
心の中に浮かんでいた五鈷杵を体の中に導き入れる。
「おん ばざら たまく かん」
世界に満ちている一切如来が五鈷杵に集まり、それらすべてが体に入っていくと思い描く。
「第五段階」
いっさい如来の集合した五鈷杵を大日如来の姿へと変化させる。
「おん やた さらば たたぎゃた さたた かん」
大日如来と自らが溶け合い、一体になると思い描く。
この段階に達した時、修行者は曼陀羅に入り、大日如来としてその中心に座っている。
NHK Eテレ
こころの時代〜宗教・人生〜 選 マンダラと生きる(4)「心をきわめる」
より画像引用